Reviews tagging 'Toxic friendship'

Zbuciumul inimii by Natsume Sōseki

2 reviews

travisppe's review against another edition

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challenging dark emotional mysterious reflective sad slow-paced
  • Plot- or character-driven? Character
  • Strong character development? Yes
  • Loveable characters? It's complicated
  • Diverse cast of characters? No
  • Flaws of characters a main focus? Yes

4.0

The structure was very intriguing, especially in Part III from Sensei’s letter. Look, this book is dense and parts of it are a slog but it is beautifully written and thoughtful, even if the characters are not particularly relatable. Highly recommended for folks interested in Japanese literature and culture. 

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i_llumi's review against another edition

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challenging dark emotional mysterious reflective sad slow-paced
  • Plot- or character-driven? Character
  • Strong character development? It's complicated
  • Loveable characters? It's complicated
  • Diverse cast of characters? No
  • Flaws of characters a main focus? Yes

5.0

fucking hell i'm in shock. i read the last 15% in one sitting and i am. in pain!!!!!!!!!

caralho que DOR QUE TRISTEZA

quote spam 

because i can 

(spoilers ahead!!!)



私はその人を常に先生と呼んでいた。

あなたは死という事実をまだ真面目に考えた事がありませんね。

人間を愛し得る人、愛せずにはいられない人、それでいて自分の懐に入ろうとするものを、手をひろげて抱き締める事のできない人、――これが先生であった。

「私は淋しい人間です」

私は淋しい人間ですが、ことによるとあなたも淋しい人間じゃないですか。私は淋しくっても年を取っているから、動かずにいられるが、若いあなたはそうは行かないのでしょう。動けるだけ動きたいのでしょう。動いて何かに打つかりたいのでしょう……」

「若いうちほど淋しいものはありません。そんならなぜあなたはそうたびたび私の宅へ来るのですか」

「あなたは私に会ってもおそらくまだ淋しい気がどこかでしているでしょう。私にはあなたのためにその淋しさを根元から引き抜いて上げるだけの力がないんだから。あなたは外の方を向いて今に手を広げなければならなくなります。今に私の宅の方へは足が向かなくなります」

先生がどんなに苦しんでいるか、これも私には想像の及ばない問題であった。
「どうしても私は世間に向かって働き掛ける資格のない男だから仕方がありません。」

「しかし……しかし君、恋は罪悪ですよ。」

「あなたは物足りない結果私の所に動いて来たじゃありませんか」

「信用しないって、特にあなたを信用しないんじゃない。人間全体を信用しないんです」

「私は私自身さえ信用していないのです。つまり自分で自分が信用できないから、人も信用できないようになっているのです。自分を呪うより外に仕方がないのです」

私は未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を斥けたいと思うのです。私は今より一層淋しい未来の私を我慢する代りに、淋しい今の私を我慢したいのです。

「自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう」

「よく男の方は議論だけなさるのね、面白そうに。空の盃でよくああ飽きずに献酬ができると思いますわ」

必竟この菓子を私にくれた二人の男女は、幸福な一対として世の中に存在しているのだと自覚しつつ味わった。

「しかし人間は健康にしろ病気にしろ、どっちにしても脆いものですね。いつどんな事でどんな死にようをしないとも限らないから」

「平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」

「あなたは本当に真面目なんですか」

あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている。

また自分の未来を想像した。するとその間に立って一区切りを付けているこの卒業証書なるものが、意味のあるような、また意味のないような変な紙に思われた。

私は人間を果敢ないものに観じた。人間のどうする事もできない持って生れた軽薄を、果敢ないものに観じた。

「昔の親は子に食わせてもらったのに、今の親は子に食われるだけだ」

「自由が来たから話す。しかしその自由はまた永久に失われなければならない」

「この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょう」

私の心臓を立ち割って、温かく流れる血潮を啜ろうとしたからです。その時私はまだ生きていた。

私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴びせかけようとしているのです。私の鼓動が停った時、あなたの胸に新しい命が宿る事ができるなら満足です。

Kはただ学問が自分の目的ではないと主張するのです。意志の力を養って強い人になるのが自分の考えだというのです。

私にいわせると、彼は我慢と忍耐の区別を了解していないように思われたのです。

日本人、ことに日本の若い女は、そんな場合に、相手に気兼なく自分の思った通りを遠慮せずに口にするだけの勇気に乏しいものと私は見込んでいたのです。

そうして人間の胸の中に装置された複雑な器械が、時計の針のように、明瞭に偽りなく、盤上の数字を指し得るものだろうかと考えました。

「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」

道のためにはすべてを犠牲にすべきものだというのが彼の第一信条なのですから

「馬鹿だ」とやがて Kが答えました。「僕は馬鹿だ」 Kはぴたりとそこへ立ち留まったまま動きません。

その上彼には現代人のもたない強情と我慢がありました。私はこの双方の点においてよく彼の心を見抜いていたつもりなのです。

「道理で妾が話したら変な顔をしていましたよ。あなたもよくないじゃありませんか。平生あんなに親しくしている間柄だのに、黙って知らん顔をしているのは」

私が進もうか止そうかと考えて、ともかくも翌日まで待とうと決心したのは土曜の晩でした。ところがその晩に、 Kは自殺して死んでしまったのです。

そうして、もしそれが奥さんやお嬢さんの眼に触れたら、どんなに軽蔑されるかも知れないという恐怖があったのです。私はちょっと眼を通しただけで、まず助かったと思いました。(固より世間体の上だけで助かったのですが、その世間体がこの場合、私にとっては非常な重大事件に見えたのです。)

しかし私のもっとも痛切に感じたのは、最後に墨の余りで書き添えたらしく見える、もっと早く死ぬべきだのになぜ今まで生きていたのだろうという意味の文句でした。

私は日中の光で明らかにその迹を再び眺めました。そうして人間の血の勢いというものの劇しいのに驚きました。

世間はどうあろうともこの己は立派な人間だという信念がどこかにあったのです。

自分もあの叔父と同じ人間だと意識した時、私は急にふらふらしました。他に愛想を尽かした私は、自分にも愛想を尽かして動けなくなったのです。

現実と理想の衝突、――それでもまだ不充分でした。私はしまいに Kが私のようにたった一人で淋しくって仕方がなくなった結果、急に所決したのではなかろうかと疑い出しました。そうしてまた慄としたのです。私も Kの歩いた路を、 Kと同じように辿っているのだという予覚が、折々風のように私の胸を横過り始めたからです。

私はただ人間の罪というものを深く感じたのです。

いつも私の心を握り締めに来るその不可思議な恐ろしい力は、私の活動をあらゆる方面で食い留めながら、死の道だけを自由に私のために開けておくのです。動かずにいればともかくも、少しでも動く以上は、その道を歩いて進まなければ私には進みようがなくなったのです。

もしそうだとすると、それは時勢の推移から来る人間の相違だから仕方がありません。

私を生んだ私の過去は、人間の経験の一部分として、私より外に誰も語り得るものはないのですから、それを偽りなく書き残して置く私の努力は、人間を知る上において、あなたにとっても、外の人にとっても、徒労ではなかろうと思います。

当人にはまた当人相応の要求が心の中にあるのだからやむをえないともいわれるでしょう。

妻が己れの過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存しておいてやりたいのが私の唯一の希望なのですから、私が死んだ後でも、妻が生きている以上は、あなた限りに打ち明けられた私の秘密として、すべてを腹の中にしまっておいて下さい。

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