A review by mikan_yamano
走れメロス by Osamu Dazai

dark emotional funny medium-paced

私なりにどうしてそんなに太宰さんが好きなのか考えてみました。理由は、彼は正直で、本当の自分を曝け出したからじゃないかな…と思います。見栄っ張りなところも妙に卑屈なところも、「畜犬談」などでは微妙な心と感情の動きはいかにも人間っぽくて、そういうのをすべてユーモアの効いた筆致で如実に書かれています。また、自分はどうやら太宰さんの考えに共感しやすいどうしようもない人種らしいです（笑）この本の作品の多くは彼にとっていわば更生期間に書いたもので、手探りで道を探しているみたいな感じがあり、傑作とまでは言えませんが、それでも面白く、この人苦労しているなーって思わせる作品です。